約80人もの方が訪れてくれた今年の田植えイベント。
どうなるものか(だってお米を一体どれくらい炊いたらいいかも分からない…)と気を揉みつつ…笑、楽しい楽しい、笑顔いっぱいの一日となりました。
この辺りでは郷土料理の<朴葉寿司>のお昼ごはん、7升半のお米がみなさんの胃袋の中へ…。
田んぼの感触も、里山の風景も、農家のごはんも、みーんな最高だった!と帰っていかれる参加者の方のぴっかぴかの笑顔、一番嬉しかったのは私たちです。
そして、私たち初のチャレンジ、それは田植えの前泊キャンプイベント。
4組の方にご参加いただき、田植え前日の午後から里山のフィールドを使って、思う存分遊んでいただきました。
清流でのあまごつかみ(水が冷たすぎるも放流した30匹中、22匹捕獲!)、野菜の収穫(旬を迎えている桑の実も発見)、カレーづくり、オーガニックバーベキュー。
子どもたちはテントのひとつを「こどもテント」と名付け、大人を出禁に。お昼寝もしていないのに、22時頃ようやく眠りにつきました。そして、お酒を楽しむ大人の夜は更けていき…。
翌朝は黒川で育てたお米の酵母をつかったパンを友人に届けてもらいました。うーん、おいしい。。
今回、拠点としてタープを張り、みんなであまごつかを楽しんだ川岸。
ここは昨年までは「草刈りをしないといけない場所」。それ以上でもそれ以下でもなかったスペースです。
いや、どちらかと言うと、「もう草生えてきたやんか、刈らんとなぁ」というちょっと手間のかかる場所。
私たち夫婦は最近、いやここ数年はずっと里山の価値を模索してきました。
このあたりで見たり感じたり味わったりできる、樹木、山、澄んだ川と空気、無農薬の野菜(採れたて、しかも葉や根がついている)、虫や花、果樹、涼しい夏の夜、カエルやひぐらしの鳴き声…。
それは黒川では当然にあるもの。
でも時に訪れてくれる人にとってはとびっきり価値のあるもの。
農家のお弁当も然り、で。
いつも作っているようなごはんが、誰かにとってはとびっきりのごちそうになる。それに気がついたのです。
移住してからというもの、ありがたいことに毎週末どこからの誰かが我が家に遊びにきてくれていました。それはここの空気を吸いに、畑でひと汗かきに、そしておいしいごはんを食べに。
おいしい!と言ってくれることが嬉しかったものの、「なんでもない毎日のごはんだから」と恐縮していたのが本音で(それは今でも変わらずあったりするけど、、)。私たちが毎日食べる、そこの畑でもぎってきた野菜が、ミラクルフードだ!と味わってくれる人がいる。
「おいしいものをつくっている」なんて驕っているわけじゃないけれど、謙遜だってしなくていいんじゃないかと思ったのです。
本当においしいものを、本当に美しいものを体験してもらいたい。そのために、周りの風景や自分たちの暮らしを<当たり前>として流してしまわないように。
世の中のことは何でも同じような気がします。着眼点や知識で、いとも変わる自分の見える世界。当たり前のことが、誰かのミラクルになることがある。
今回、草刈りをしないといけない場所が、あまごをつかんで風を感じながら休憩できる場所となりました。自分の見えていることだけに捉われないようにこれからの<誰かの楽しい>を探していきたいです。
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